韓国のドキュメンタリー映画「渚のふたり」を、バリアフリー上映で観て来ました。
(C)2013 MASC
今日が上映初日。
昨日降った雪の影響で、電車が大幅に遅延。
シネマート新宿に到着したときには、すでに上映が始まっていました。
●バリアフリー上映
「バリアフリー字幕」(聴覚障害者用に、台詞以外に話者名や音楽などを含む日本語字幕)は、画面に表示されるオープンな方式でした。
外国語映画なので、健常者にも違和感はありません。
希望者に貸し出される「おと見」アプリの入ったiPod touchによって、「音声ガイド」(視覚的な情報を補う日本語ナレーション)、英語字幕を選んでの鑑賞もできます。
「おと見」は、“電子音声透かし”で同期をとる NPO法人メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)が開発したスマホアプリで、バリアフリーに対応したセカンドスクリーンに字幕を表示、音声ガイドを再生するものです。
映画の音声に、人間が識別できない形で時間軸の情報を“電子音声透かし”として埋め込んでいます。
この音声をiPod touchのマイクから読み込むことで、私のように途中から入場した場合にも、音声ガイドのタイミングが合う仕組みです。
■新バリアフリー上映方法
http://nagisanofutari.jp/nagisa_b.html●ドキュメンタリー映画「渚のふたり」
肝心の映画の内容です。
ソウル郊外に住む視覚と聴覚を失った夫と脊椎障害の妻の日常を追ったドキュメンタリー。
夫婦共に障害があれば、困難も加算されるものかと想像していましたが、お互いが支え合っている姿は、実に幸せそうで微笑ましかった。
二人の会話には、相手を思いやる優しさと愛が溢れています。
二人の言葉のすべては、ポエムの如く独特の世界観を伝えます。
韓国内で「もっとも羨ましいカップル」と呼ばれた夫婦と言うのを実感しました。
妻スンホが、夫のヨンチャンの手の上でタイプライターの様に指をたたいて、奨学金の選考結果を伝えるシーンがあります。選ばれなかった事さえも、明るく前向きになる愛情がありました。
(初めて“指点字”と言う言葉を聞く方があるかもしれません。私は1年ほど前に、視覚・聴覚障害のピアニストである塚田哲夫さんが、介助の晴眼者が通訳する“指点字”で会話する様子を目にしました。
ブログ『指点字”って…?』)
切れた蛍光灯を交換する事も力を合わせ、それにも感動がありました。
障害者の友との談笑の中にも、障害者の抱える悩みが見えてきます。
視覚、聴覚障害を理解するきっかけがこの映画にはあります。
当人でなければ、どんな世界か真の理解はできません。
しかし、ほんの少しかもしれませんが、このドキュメンタリー映画を通して感じられるはずです。
共に生きる人間にとって、とても大切なものが見つけられると思います。
■「渚のふたり」公式サイト
http://nagisanofutari.jp/●「またかな」バリアフリー仕様DVD
この映画館・シネマート新宿で、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』を幾度となく観ましたが、その「またかな」がDVD・Blu-rayになってもうすぐ発売されます。
しかも、ロードショーでは未対応だったバリアフリー仕様です。
原作・喜多川泰 監督・古厩智之
『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
DVD・Blu-ray3月7日発売。予約受付中!
【バリアフリー仕様】
(視覚障害者対応日本語音声ガイド・聴覚障害者対応日本語字幕収録)
※音声ガイド、日本語字幕、英語字幕が、自由にオン/オフ出来ます。
映画作品としても、自信を持ってお薦めします!
■映画「またかな」公式サイト
http://matakana.jp ■「またかな」製作委員会 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/matakana.movie
- 関連記事
-
テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画
tag : ドキュメンタリー映画「渚のふたり」